2021.06.30 YouTube
前回は「スリムビスを使って木材を接合するときの注意点」として、スリムビスの注意点についてお伝えしました。
そこで今回はコーススレッドについて、より詳しくお伝えしていこうと思います。
さて、コーススレッドを使用する時には「プロが必ず行っている重要な2手間」があることをご存知でしょうか?
答えは「1手間目、下穴を開けること」と「2手間目、皿加工をすること」この2つです。
今からその2手間について詳しくご紹介いたします。
「コーススレッドって何?」と思われる方は、こちらの解説記事木工ネジの違いと使い分けを合わせてご覧ください。
また、この記事は動画の説明を元に詳しくご紹介しております。
動画だけ見たい方は、記事の最後にある動画を合わせてご覧ください。
まず前提として、コーススレッドは下穴が必要な種類のネジです。
【下穴】(読み方:したあな)
下穴とは、ビスや釘などを打ち込む場所にあらかじめ開けておく穴のことを指します。
コーススレッドに下穴が必要な理由、それは…
「打ち込む時の力で木材が割れてしまう」からです。
木材が割れてしまうとは一体どういうことなのか、実際にやってみましょう。
試してみたいと思います。
チュイ〜〜〜ン
ビキッ
一瞬で割れました。(泣)
コーススレッドはネジが太くネジ山が荒いので、このくらいの幅の木材だと簡単に割れてしまうのです。
なので、ちゃんと下穴を開けましょう!
さて、下穴に適したサイズですが、一般的に何ミリの穴を開ければいいかというと、
だいたいネジの太さの7割くらいの大きさの穴を開けるといいと言われています。
例えば、1mm のネジ には 0.7mm の穴 といった具合ですね。
ホームセンターなどに売っている、下穴開け用の「テーパー下穴錐(したあなきり)」というものを使います、非常に便利です。
※下記画像は例です
ちなみにテーパーとは、先細りになっているもののことを言います。
よくユニ●ロのズボンなんかでテーパードとかって書いてありますよね。
これをドライバーの先端にくっつけて下穴を開けていきます。
チュイ〜〜〜ン
細い木材だとドリルの衝撃で揺れちゃうのでしっかりと抑えましょう
さて今開けた下穴にビスを打ち込んでみましょう。さっき割れちゃったところとほぼ同じ位置です。
どうなるのでしょうか・・・
下穴のすごさがご理解いただけたでしょうか。
触ってみるとわかりますが、これだけだとネジが出っ張っていて完全に木の中に入り込んでいないことがわかります。
例えば家具の裏側だったり、気にならないところならこの仕上げでも別に問題はないのですが、
指を引っ掛けて怪我したり、服が引っ掛かってほつれたり、あるいは塗装した際に悪目立ちしてしまうなど、この状態だと色々と不都合な点が多いのです。
では、強引にドライバーで押し込めばいいかというと、なかなか人生は思い通りにいかないものです。
うまく入っていかないんですよね。
周囲の木も引っ張られてきて凹んでしまい非常に中途半端な感じになっちゃいます。
こういう時にどうしたらいいかというと、「皿錐(さらぎり)」というものを使ってネジのラッパ状になっている部分をスポっとはめる加工をしてあげましょう。
コーススレッドはスリムビスと比べてラッパ状の幅が広いため、それだけ抵抗が強くかかります。
この広い面積で木を引っ張りつけるというコーススレッドの機能を最大限に生かすためには、
開けた下穴に「皿加工(さらかこう)」というのをする必要があります。
こちらもホームセンターで売っております、「皿取錐(さらとりぎり)」という錐を使って皿加工を行います。
先ほどのテーパー錐とほぼ同じなのですが、違うのはネジの皿のような形をした刃がついているという点です。
この加工によってネジ山が綺麗に埋まってくれるのです。
実際に使ってみましょう。
チュイ〜〜〜ン
先ほどの穴と比べて、はっきりとした穴が掘れました。
ここにネジを埋め込むと…
見事に木に埋まってくれましたね。
見た目も美しく、更にネジの引っ張る力も強化されるので、上級者はこちらの一手間にチャレンジしてみてください。
今回のまとめ!
皿取錐は決して安いものではありませんが(ホームセンターで1500〜3000円くらい)、一本持っていればかなり重宝しますので、ワンランク上を目指す方はぜひ買ってみてください。
今回登場した道具はこちら。
YouTube動画でも今回の内容をご紹介しております。
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