みなさんこんにちは!WOODWORK CENTERです。
今回もWOODWORK CENTER DIYシェア工房をご利用いただいている会員の方へのインタビューをさせていただいたのでご紹介させていただきます。
シェア工房ご利用を検討されている方のご参考になれば幸いです。
それでは本編へどうぞ。
今回お話しを伺ったのは、アーティストとして活動されている横田ジェニーさん。
1/1台湾に生まれ、15歳の時にオーストラリアへ移住。
その後日本に来て彫金を学びアーティストとしての活動を開始。
現在は逗子の地で主に木工彫刻の制作をされています。
普段はご自宅のアトリエで作業しているとのことですが、WOODWORK CENTERも頻繁にご利用いただいております。
ーーなぜ活動の場を逗子に?
「コロナ禍になり、もう少し環境のいいところに移りたいと思って」
逗子に来て1年半になるというジェニーさん。
その前は8年ほど東京にお住まいだったとのことです。
「家の周りの環境も、作業のスペースも広く取れるし、何より自然を身近に感じるようになりました。リスなどの動物がその辺にいたりして、見かけるとほっこりします(笑)」
拠点を逗子に移してから更に集中できてるし、快適で過ごしやすく、永遠にいたい!と嬉しそうに語ってくれました。
確かに逗子にはアーティストの方が多くお住まいのように感じます。
歌手で活躍中のiri(イリ)さんや、キマグレンなどのミュージシャンも逗子出身ですね。
毎年“逗子アートフェス”や“逗子映画祭”などイベントが行われている地でもあり、
ギャラリーやアートスクールなども多数出展しています。
逗子の美しい景色がモノづくりする人にとって最適なインスピレーションを与えてくれる、そんな環境なのかもしれませんね。
ーーどのくらいのペースでWWCを利用していますか?
「できれば、来れるときは週3回くらい。」
WWCは月曜日と火曜日が定休日。
水曜日から日曜日まで、週5日開店しております。
だいたい週1、2回ほどでご利用いただいている会員様が多いので、
ジェニーさんは結構な頻度で利用してくださっています。いつもありがとうございます。
普段ご自宅にもアトリエがあり、そちらでも作業されているとのことでした。
ーー1日の作業時間はどのくらいですか?
「最近は、朝から手を動かす実作業をして、夜はできるだけ思考に時間を割いています。」
WOODWORK CENTERで大掛かりな作業をやって、
帰ってからアイデアを考えたり、細かい作業をしたり・・・。
ふたつの作業場でやることを分けるようにしているジェニーさん。
「もうここ(WWC)での作業でだいぶ疲れて(笑)家では頭を使う作業をメインにしてます。」
今日も朝10時からいらしてくれています。
学校に行っている感覚に近い、とおっしゃっていました。
目的を持ってものづくりをしに来ている方が集まるWOODWORK CENTERは、確かに学校に近い施設かもしれませんね。
またWOODWORK CENTERでは、お昼と17時のタイミングで学校と同じようなチャイムが鳴るのも、そのように感じる要因の1つだと思います。
ーー木工を始めようと思ったきっかけは何ですか?
「彫金をやっていた頃に“コンテンポラリーアートジュエリー”というジャンルで表現活動を何年かやっていたんですけど、だんだんと制作物が大きくなってきて。ある時ふと物足りなさを感じ始めて、違う素材でやってみたい!と思い立って木彫の世界に踏み込んだのがきっかけです。」
コンテンポラリーアートジュエリーとは、「身につけるアートピース」として進化を続け、ギャラリーで扱われることの多い作品性の高いジュエリー。
従来のジュエリーの概念にとらわれない、自由な素材や表現・技術で制作された先進的な作品作りとして注目されています。
「改めて作り始めて思いました。木ってすごいなって。今までやってきた金属とは違って、作り進めていくうちに現れる木目の表情とか、発見が常にあるんです。そこに面白みを感じ、どんどんのめり込んで行って、作品もどんどん大きくなっていきました(笑)」
ーー作り始める前から完成のイメージはあるんですか?
「完成のイメージは、あんまり最初から決めたくないんです」
意外な返事が返って来ました。
「ある程度ぼんやりしたイメージは持って手をかけるけど、彫っている内に木の顔が出てくるんです。それが感動の瞬間、というか。」
“彫っている内に木の顔が出てくる”とは、どういうことなのでしょうか。
▲冠草字的夢—使者(※HPより抜粋)
ジェニーさんの作品には顔のついているものが多く見受けられますが、これらの顔の向き・表情は、毎回彫っている最中に木肌の模様で決めるんだそうです。
彫ってるうちに木自身から自然に出てくる顔を見つけてあげる。そうしたジェニーさんの製作スタイルが、作品の絶妙な佇まいに現れている気がします。
このような感覚は金属をやっている時にはなかったとのこと。
初めての時はふと涙が出るほど感動してしまった、とおっしゃっていました。
ぬくもりのある有機的なマテリアルを加工する、木工ならではのランダムな素材感にハマる人は多いですね。
また、白色を基調とした制作スタイルをお持ちのジェニーさん。
白にどのようなこだわりがあるのでしょうか。
「金属加工をやっていた頃から、七宝焼で白に微妙な色を混ぜたりして制作していて、馴染みが深い色ですね。」
「今制作しているものはまだ途中なので、表情を見るために白色を塗っているんです。」
木目だけだと表情がわからなくなってくるので、白を塗って確認して彫って、また塗って彫って…という繰り返しで表情をチェックしながら進めるのに白色は大事な役割を担っているのだそうです。
ーー何からインスピレーションを受けて製作されていますか?
「オーストラリアの原住民であるアボリジニの人々から強い影響を受けてアーティスト活動を続けています」
ご自身も中学を卒業してからオーストラリアへの移住経験があるジェニーさん。
現地の美術館にて、そこに住む原住民であるアボリジニの文化に触れる機会があり、大きな衝撃を受けたそうです。
「彼らの使用する道具や絵はパワーのあるものばかりで、ただただ圧倒されました。それが今の私のルーツとなっていますね。」
アボリジニの人々は絵を描いたり、壁画だったり、歌や神話として出来事を残し、次世代に繋げていく、という文化が生活に根付いており、想いを込めたものづくりの精神が人々の中で日常的に共有されている、非常にアーティスティックな民族。
中でも特徴的なものに“アボリジニのお面”があるのですが、今ジェニーさんが作っている作品はこのお面に強いインスピレーションを受けて制作を進めているというお話しを伺いました。
「コロナウイルスの蔓延など不安定な社会情勢を考えて、今作っているシリーズは“天を仰ぐ”とか“祈り”といった意味を込めて、お面のようなデザインにしました。お面って、外側は派手で楽しいような見た目だけど、内側(着けている人)の表情って、安堵した気持ちなんじゃないかな、と。そんな外と中の違い・距離・ギャップが興味深くて、作品に取り入れたいと思っています。」
独創的な着眼点を持って作品に意志を組み込む、このようにして横田ジェニーさんの作品が生まれていくのですね。
自然いっぱいの逗子の地で、日々の中に感心を受け、制作に勤しんでいるジェニーさん。
ジェニーさんの創作活動はこちらからご覧いただけます。
Instagram – jannyhuangyokota
これからもWOODWORK CENTERのDIYシェア工房をご利用いただけると幸いです!
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