2024.12.13 オーダー家具・什器・リペア
このたび、名古屋ハリストス正教会さまより木製シャンデリア製作のご依頼をいただきました。ビザンティン様式の荘厳な教会建築と調和するシャンデリアの制作・設置に至るまで、私たちの手仕事を追った物語をお届けします。
※この記事は、2010年の施工事例の紹介記事を再構成したものです。
名古屋ハリストス正教会は、日本における東方正教会の一つであり、愛知県内に3か所の教会を構えています。その中でも名古屋市の教会は、新築の白亜の建物が特徴的。内部は静寂に包まれ、祈りの場にふさわしい厳かな雰囲気が漂います。
今回製作したのは、直径2メートルに及ぶ木製のシャンデリアです。材料にはナラの無垢材を使用。輪型のデザインが特徴で、ビザンティン様式の教会空間に柔らかい光をもたらす仕様に仕上げました。
製作には多くの工程がありました。本体の製作に始まり、オイル塗装による仕上げ作業。木材の自然な美しさを引き立たせるとともに、空間に温かみを加えます。次に、シャンデリア内部の配線作業。デザインを損なわず、どこに配線を通すかを慎重に検討しました。仕上げには細やかな十字架の装飾と電球の取り付けを行い、点灯試験を繰り返して最終調整を行いました。
製作が完了した後、シャンデリアを携え、夜中の東名高速を一路西へ。新築された名古屋の教会に到着し、いよいよ設置作業がスタートしました。設置は大掛かりな工程で、組まれた足場の上で作業員たちが力を合わせ、「よいっしょ」と掛け声を上げながら15メートルの尖塔から吊るされたチェーンに固定しました。シャンデリアが「ふわり」と空間に浮かぶ瞬間は、言葉では言い表せないほどの感動がありました。
設置作業が完了した後、教会では信者さんたちが賛美歌の練習を始めました。新しい教会に命を吹き込むようなその光景に、私たちも思わず見入ってしまいました。この教会と空間の象徴となる木製シャンデリアが、祈りを捧げる人々に永く愛される存在になることを願ってやみません。
設置後の成聖式では、教会の荘厳な儀式が行われ、その様子がロシアのTVでも放映されました。木製シャンデリアが空間のシンボルとしてどれほど大切な役割を担っているのかを実感しました。動画を通じてその神聖な雰囲気が伝わり、私たちの仕事が新しい命を宿した瞬間を共有できたことを嬉しく思います。
木製シャンデリアを通じて、名古屋ハリストス正教会の祈りの空間に少しでも貢献できたことを心から誇りに思います。このシャンデリアが、多くの人々の祈りの時間を照らし続けることを願って。
株式会社 drawers では、お客様一人一人に合わせた特注家具の製造を行なっております。
まずはご相談から、お気軽にご連絡ください。