みなさんこんにちは!WOODWORK CENTERです。
今回もWOODWORK CENTER DIYシェア工房をご利用いただいている会員の方へのインタビューをさせていただいたのでご紹介させていただきます。
シェア工房ご利用を検討されている方のご参考になれば幸いです。
それでは本編へどうぞ。
今回お話しを伺ったのは、パーソナルサポートを利用して、枡(ます)を製作されている、齋藤 穂高(さいとう ほだか)さんにお話をお伺いしました。
ーーWOODWORK CENTERにはいつ頃から通われていますか?
「WWCが以前の体系(木工教室)で運営していた頃に入会しました。
その後コロナ禍になって、本格的に動き出したのは2021年のGW明けくらいですね。」
WWCオリジナルの木工カリキュラムに沿って、現在は枡を制作中。
まずはオリジナルの作品作り、というよりは、色々な木工の技法や道具の使い方を習得することを目的に通われているとのことです。
「何かすごく作りたいものとかがある前に、技法とか道具とか、
そういうものを知りたいっていう方が大きかったですね。」
ーーwwcではそういった技術が学べると知って入会されたのですか?
「そうですね。もともと木工にも興味があって、自宅ではDIYのレベルで作ったりしていたんですが、もっと深く学びたいと思っていて。そんな折に、既にこちらに通っていた知り合いからオススメしてもらって、ちょっと行ってみようかなって。」
現在受講していただいてるパーソナルサポートでは、機材の使いかた、技術の指導などはもちろん、専用のテキストを用いたカリキュラムを通した木工技術指導も行なっています。
職業訓練所などで教わる木工技術よりも更に、現役プロ職人ならではの視点からより実用的に、そしてカジュアルな雰囲気で気軽に教わることができるので、そういった方にはまさにうってつけの環境をご用意しております。
ーー初めて利用された時の印象はどうでしたか?
「本格的な活動をしている方が多くて少しびっくりしましたけど、すごく基本的なところから教えてくれるということだったので、安心して始めることができました。」
長く通われている方の中にはもはやプロ級の腕前の方もいて、みなさん日々ものづくりに励んでいらっしゃいますね。
と言っても、皆さん最初から何でもできるわけではありません。当然、初めは誰でも初心者なのです。
そういった方々も最初は初歩的なことから学んでどんどん上達していったので、まずは始めてみる、ということが大切だと考えています。
「会員になる前に、一回体験利用をしてみませんか?と勧めてもらったのが良かったです。その体験でなんとなく施設の様子や勝手がわかって、実際に始めてからのギャップをあまり感じませんでした。」
実際に何かを新しく始める前の不安というのは、どうしても出てきてしまいますよね。
そのギャップを少しでも無くせたら、と思い、初めてのお客様には体験プランのご利用をオススメしております。
前述のパーソナルサポートも、体験プランと併せて15分〜ご利用いただけますので、まずはお気軽に、ちょっとした空き時間を利用して、雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
ーー体験プランでは何をしましたか?
「体験ではシンプルに、ノコギリで木材をカットするやり方と、あとカンナをかけるやり方を教えてもらいました。」
「その時のカンナがけに感動してしまってですね・・・(笑) 今までに我流でやってみたことはあったんですが、手入れのゆきとどいた道具を使うと、こんなにもちゃんと削れるのかっていう・・・それに感動しましたね。」
ーーそこに感動があって、自分でも挑戦したいと思ったんですね。
「自分もカンナでこんな風に削れるようになりたいなって、強く思いました。」
齋藤さんはノコ引きもご自宅でDIYでやったことはあるけども、実際に講師に正しい持ち方、力のかけ方など細かく教わって切ると、作業性や仕上がりの美しさなど、全然違って驚いたとおっしゃっていました。
扱う道具の大事さに気付くことが出来たというのも、最初の大きな一歩です。
毎回の作業の中にも発見を大切にし、教わったことは都度ノートに写真や図と共に書き込むことが習慣となっている、勉強熱心な齋藤さん。
そんな齋藤さんのパーソナルな部分もお聞きしてみたいと思います。
ーー齋藤さんの、ものづくりへの興味はどういったことがきっかけだったのでしょうか?
「元々は学校で工芸というのを勉強していました。例えばろくろみたいな機械とかを少し触ったことはあって。それが社会人になってからというもの、すっかりやらなくなっちゃって、再び定年を真近にものづくりをやりたくなったんです。」
美術大学の工芸科に進み、金工(鍛金、彫金、鋳金)や陶器、漆塗りなどの基本的な工芸の科目を幅広く勉強する機会があったという齋藤さん。
様々な工芸体験をした後、“染色”を専攻し、そこで学んだ経験を生かして社会人になってからは広告デザインの仕事に携わっていたとのことです。
更に過去に遡ると、やはり昔から工作が好きな少年だった、と語ってくださいました。
ーー子供の頃は何を作ってたんですか?
「プラモデルとかをよく作ってましたね。一時期すごいかっこいいバイクのプラモが欲しかったんですけど、やっぱり高級品じゃないですか。なかなか親に買ってもらえなかったので、そういう時はボール紙に展開図を書いて切って組み立てて自作してました(笑)」
幼少期からかなりレベルの高いものづくりエピソードをお持ちでした。
「僕らの時代のプラモデルは最近のものみたいに簡単に作れなくて、いろいろ加工しないと綺麗に作れない時代だったんですよね。なので工夫して一生懸命作ったりしてましたね。」
懐かしそうに語る齋藤さん。
ちなみにWWCの講師であるツルダ店長も同じように、幼少期は野球のグローブやスパイクを型紙で型を起こして自作していたとのことです。
「プラモデルをかっこよく作りたい」という気持ちの側面に、「プラモデルってどうやって作られているんだろう」という好奇心も当時から持っていて、ものづくりが好きな人には、そう言った幼い頃の原体験があるような気がします。
ーー今回製作された枡ですが、ズバリ、ご本人の評価は何点くらいでしょうか。
「100点満点中、30点くらいですかね(笑)」
かなりストイックな自己評価でした。どういったところが減点ポイントだったのでしょうか。
「毎回作り終わった後に(ここ改善の余地あったな〜)みたいな、(もっとこうやればよかったな)みたいな反省点が見えて来ますね。」
ご自身の製作物を顧みて、毎回きちんと反省点を見つけている齋藤さん。
ものづくりの上達を図る上で、本当に大切な心がけだと思います。
これも、作業をわかりやすくノートに記録することで、可視化されやすくなっているのかと思われます。
ご自宅で1人で作っていると見落としがちな点も、要所要所でポイントを講師にアドバイスしてもらうこともできるので、上達へのスピードや理解度は何倍にもなる為、結果コストパフォーマンス良くDIYライフを送れるという声もいただきました。
ーーツルダ店長「僕が点数をつけるとしたら70点ですね」
「ありがとうございます(笑)自分としてもこんなにできるとは正直思わなかったから、そういう意味ではよく作れたなと思いますけど、仕上がり自体を見ると穴だらけだから、そこは改善の余地ありですね。」
通い始めの頃はマンツーマンのような感じで講師に修正箇所を聞きながら作業されていましたが、今回は基本的に終始1人で進めてもらっていました。
作業を進めるのにはWWCオリジナルのテキストを見ながら進めていたんでしょうか?
「テキストも使用しましたが、基本的にはパーソナルサポートとしてツルダさんに付いてもらって進めました。最初は自分1人でできるかな?と思ってたんですけど、やっぱり進めていくうちに、毎回ノウハウだらけだったから、こりゃダメだと思って(笑)」
「どこを気にしたらいいか」というポイントを知ること。それが上達への道筋ですね。
その辺りはなかなかテキストに書ききれないけど、重要なところなんです。
「あとは痛感したのが、(治具(ジグ)がすごく大事なんだな)ということですね。」
※治具(ジグ)とは…加工や組立ての際、部品や工具を案内し位置決めするとともに固定する補助具。
治具を使うことで、同一形状の製品ならば、高度な技術を用いずとも製品のバラツキを最小限に抑え、素早く大量生産ができる。基本的に作るもののサイズや製作方法に合わせて自作するケースが多い。
ご自宅でDIYしている時は、わざわざ治具まで作ってから作業する人は少ないのではないでしょうか。
WWCには様々な用途で使えるたくさんの治具が用意されているので、作業効率を高めて製作に臨むことができます。
「製作に入る前の準備が本当に大事なんだなっていうのを、感じましたね。」と齋藤さんもしみじみおっしゃっていました。
ーーツルダ店長「僕は修行時代に、“治具を作れる職人になりなさい”という風に言われていました。治具を作れるというのは加工の流れを理解している、ということだから。安全に、確実に、綺麗に作れるようにするための道具だから。治具が作れるようになったら一人前という感じでした。」
しかも治具は、作る職人によってアプローチが全然違うんですよね、とツルダ店長。
そのあたりの使い方の個性が形として現れてくるのが治具の面白さでもあるのです。
ーー今回のマスの製作で一番の思い出は何ですか?
「カンナの調整ですね。仕込みまで習ったんですけど、やっぱり刃の調整と、削るっていうところですかね。」
マイカンナをお持ちだという斎藤さん。自分で使いこなせるようになりたいと思って購入されたそうです。
ーーカンナの調整って楽しいですか?
「楽しいっていうか…もうダメだーみたいな時もありますけど(笑)。自力で調整したので削りカスとかを見るとまだまだだな…と思う時もありますけど、その分うまく行った時は本当に嬉しいんですよね。」
カンナの刃を研いだり、調整したりするのは、初心者の方にはなかなか難しい工程です。手間もかかりますが、その分綺麗に削れたときの感動もひとしお。自分の子供みたいに愛着を持って、毎日触って使ってあげたくなるものです。
ーーカンナ道みたいな道に入ってしまいましたね。
「ハマってくともう深すぎちゃって…(笑)。家具職人を目指しているわけではないから、もっといろんなものを楽しく作ってもいいかな〜という思いもある一方、道具を極めるのってかっこいいなあと思いますね。」
ーー今後極めたい道具などありますか?
「全部極めたいというか、木工用の道具って、電動工具でそこそこ色々できちゃう時代の中、あえてカンナとかノミとかが使えるっていうのは、いいなあって思いますね。」
最近では多くの方がより簡単に作業できるように道具なんかもどんどん進化していっています。
それはそれで素晴らしいことですが、道具の進歩によりだんだんと消えていってしまう技術もあります。
WWCでは便利な電動工具も多く備えておりますが、あえて一手間かかる手作業でのものづくりも大切にお伝えしていきたいなと思っています。
ーーカリキュラムが一通り終わった後、何か作ってみたいものはありますか?
「日本の古来からある木組み、※ほぞ組みっていうのをやってみたいです。」
※ほぞ組みとは…脚物家具などに使われる、日本の古来からある木材の接合方法のひとつ。
木材の端を突起状の「ほぞ」にし、隣接する別の木材に「ほぞ穴」を作りはめ込んで接合する手法のこと。
釘を使わずに接合することができる上、接合部分に強度を出すことができ、耐久性が増す。
ほぞとほぞ穴の形には様々な種類あり、形が複雑になるほど強度が高まる。
齋藤さんからは、オリジナルのアイテムを作るということよりも、あくまで技術・道具を学びたいという強い意志が溢れていますね。
ひたむきに研究熱心な齋藤穂高さん。これからも、全力でサポートさせていただきます!たくさんのお話ありがとうございました!
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