ある辺を基準にして、そこに対して並行な線を引くための道具。
線幅を固定できるため、毎回測り直す必要がなく、複数回線を引く際に非常に便利な道具です。
それ以外にもホゾ穴を掘ったりなど、本格的な木工の下地を作るときなんかにも使われる道具です。
ケヒキにも色々な種類があります。
WOODWORK CENTERで販売するのは「筋(すじ)ケヒキ」という種類のものです。
もっともシンプルでスタンダードなのがこの筋ケヒキ。
人差し指と中指の間で竿と呼ばれる部分を挟んで、刃の背を親指の腹で押さえるようにして持ちます。
やすりなどを使って、持ちやすいように角を削って調整して使う方もいます。
右利き用と左利き用がありますが、2種類持っておいて状況に応じて使い分けるということはプロでもよくやることです。
竿のネジを緩めてスライドさせ、お好みの幅に固定してください。
竿には大体の目盛りが付いているので、調整しやすいですね。
ネジは締めつきすぎないように、軽く締めます。
振った時にグラグラしない程度で構いません。
例えば、この板の端から20mmの位置に線を引きたいとします。
ケヒキの目盛りで20mmのところにスライドして調節しますよね。
ただこの目盛りは大体の目安なので、定規で図ると数ミリズレているという場合があります。
ラフなDIYでは厳密に数字を合わせなくてもいい場面も多くありますが、より正確に作業したいという方は、きちんとした定規で測って調節することをお勧めします。
机などにトントンと叩きつけて徐々に差を縮めていく、という方法で調節してください。慣れてくるとスムーズに調節できるようになります。
調節が終わったらネジをぎゅっと締めてください。
定規面を材料に押し当てながら、刃を材料に押し付けて手前に引いていくと、線が引けます。
刃物で線を引くので、仕上げの面に間違って引いてしまうと、かなり深い傷が残ってしまいます。
刃の入ってるところに穴を開けて鉛筆を通して使うこともできます。
このように一工夫すると、上記のリスクを避けることができます。
DIYで使うなら鉛筆付きに改造することをお勧めいたします。
刃物のついたケヒキを使う際のメリットは
1.薄い木材であれば、ケヒキだけで割くことができる
2.ケヒキで引いた線がノコギリで切る際のガイドになる
というところですね。
鉛筆の線どおりにノコギリを引くのって初心者の方には結構難しいと思いますが、すでに引いてあるケヒキの線にノコギリが沿ってくれるので、やりやすいのです。
なんで「ケヒキ(罫引/けひき)」と呼ぶか、一説によると、大工さんや家具屋さんの業界では、線を引くことを「墨付け」、「墨入れ」と呼んでいました。
特に細い線、精度を求められるような緻密な線のことを「毛(け)」や「糸」と表現していたそうです。
墨入れの中でもそういった細い線を引くことを「毛書く(けがく)」と言い、それを引くための道具を「ケヒキ」と呼ぶようになりました。
かなり精度の求められる作業にはケヒキが非常に有効です。
違う材料に全くおなじ寸法で罫書きたい時というのはよくある状況で、そういう時に一度セッティングしたケヒキを使えば、間違いなく同じ線が引けるのです。
さらにより精度の高い作業を求めるには、ケヒキを複数持っているといいです。
一つの工程の中で複数の寸法を何度も引かなきゃいけないような時、ケヒキが何個もあれば、一度セッティングすればそのまま同じ寸法をコピーできるという考え方です。
それほど高い道具ではないので、何個か持っていると作業性が向上すると思います。
WOODWORK CENTERではプロ仕様のケヒキを販売しています。
最初から刃が付いてるんですが、最初は引っ込められていて出ていません。
購入された方はご自分で調整して刃の出を最適なところに持っていっていただく必要があります。
定規面に対して刃が曲がっているように見えますが、決して不良品ではありません。
あえて意図的に曲げてあるのです。
もし刃がまっすぐだったら、線を引くときに定規面が基準面から離れようとする力が働いてしまい、正確な線が引けなくなってしまいます。
なので、あえて基準面よりも離れようとする向きに力がかかるように刃をセッティングしているのです。
ここで文字だけ読んでも少しわかりづらいと思いますが、実際に手にとって見てみるとここに書いてある意味がスッと入ってくると思います。
WWCのケヒキはカシの無垢材でできています。非常に硬い木材です。
ずっと使っていくと手沢(しゅたく)といって手汗などが染みつき艶が出てきて味が出てきます。
ぜひ一生ものの道具として、使い倒してみてはいかがでしょうか。
詳細な説明はこちらの動画をご覧ください。
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