
「道具との向き合い方を見つける場として」
いよいよ明日になりました、「WOODWORK CENTER 道具の市」。
今回の道具の市は、ただ道具を並べる場ではありません。
家具づくり、グリーンウッドワーク、木工旋盤。
それぞれの現場で実際に使われている道具を集め、
つくり手やメーカーの方と話しながら、
見て、触れて、確かめられる2日間です。
僕らがやりたいのは、
道具の解像度を上げる場をつくること。
価格やスペックだけではなく、背景にある思想や、つくり手のこだわりまで知ることで、
きっと「道具を見る目が少し変わる体験」になると思っています。
今回の出品の中に、千代鶴貞秀さんの「霽月(せいげつ)」という銘(めい・シリーズの名前)の鉋があります。
この鉋を皆さんに紹介するにあたり、貞秀さんご本人に解説をお願いしました。
以下、その回答をそのままご紹介します。
この度はご連絡くださいましてありがとうございます。
販売会で扱っていただけることとても嬉しいです。
・この鉋で最も大切にしていること
切れ味は当たり前として、形の整え方です。厚みの揃え方、曲線の対称など。
例えば台直しは通常の平鉋より鉋身の屈みは浅くしています。
・他の鉋との違い、こだわっている点
南京鉋においては、よそに比べて鉋台に馴染むようねじれを極力抑え、左右の厚みを均一にすることを意識しています。
南京はわりと刃先に負荷がかかっており、刃の固定が作業のしやすさに繋がっていると思います。
仕込みやすくなるように気を遣っています。鋼の厚みも裏だししやすいよう薄めにしています。
・鋼や鍛造で特に意識していること
熱処理に関しては大きさや薄さで熱の入り方が異なり、また、火の色も少し見え方が変わります。
製品に合わせて目視で調整し、松炭を使い、ふいごで送風し熱して焼き入れをしています。
勘が頼りではありますが、他社の鉛焼きなどの技法より低エネルギーで必要な分だけ使え、熱し方も違うのが大きな特徴です。
・どのような使い手に使ってほしいか
使い手は選びませんが、手作りの道具は他社も含めて全て丁寧に形を見極めて仕込みを考えていただければと思います。
鉋は平たい板のようで違うことがわかっていただければ扱い方も見えてくるとおもいます。
・使い手へ伝えたいこと
切れる、使える道具は作りたい形を実現する近道です。
そのための準備は慣れるまで時間がかかることもありますがそれも楽しみながらものづくりしていただければと思います。
皆様の新たな手となりますように願っています。

これを読むだけで、鉋に限らず、身近な刃物一つひとつの形や造りに対する興味が湧いてくると思います。
刃物だけではありません。
今回集まる小物から電動機械まで、それぞれの道具に、こだわりと背景のストーリーがあります。
きっと、それを感じてもらえるはずです。
当日は無料で参加、見学のできる商品説明会や、生木からスプーンをつくるデモンストレーションもご覧いただけます。
道具が好きな方も。
これから一歩踏み出したい方も。
ぜひ、道具との向き合い方を見つけにいらしてください。
首を短くしてお待ちしています!
※この記事は、メールマガジン「ツルダ便り」から抜粋いたしました。